【2024年春入試】Web出願システムで変わること

既報の通り、来春(2024年春(令和6年度)入試)から、岐阜県公立高校入試もWeb出願となります。出願が紙からWebになっただけで、受験生個人には具体的に大きな影響はないかなと思ったのですが、先日「各高校の選抜要件一覧」と同日付で公表された「令和6年度岐阜県立高等学校入学者選抜要項」によると、合格発表日の後、今までいちいち高校の窓口に行って開示を受けていた「学力検査の得点情報」(入試の点数)もWeb出願システムによって受験生に知らされることになるようです。調査書は今まで通り窓口での写しの交付のようですが。

(2) 学力検査得点情報の通知
WEB出願システムにより、第一次選抜学力検査又は第二次選抜学力検査における教科別得点を受検者に通知する。

(岐阜県教委発表「令和6年度岐阜県立高等学校入学者選抜要項」から)

Web出願システムによって、全員に自動通知されるということでしょうか。それとも自分が見たければシステムのサイトでいつでも閲覧可能ということでしょうか。それならば閲覧期限もついていそうですから、やはり全員に自動通知なのでしょうか。今春までの高校まで聞きに行くしくみでは、得点開示は合格発表後1か月間という縛りも書いてありましたが、それも要項には書いてありません(調査書のほうの1年間という期限は変わらず書いてあるのに)。

この点は受験生個人にかかわる大きな変化ですね。受験後の話ですが。

それから入試前の話としては、出願だけでなく出願変更もWeb上になるようです。1回だけ出願変更できるしくみに変わりはありませんが、ネット上でできる分、大幅に簡素化されそうです。さらに、県教委が出した「WEB出願チラシ」によると、

①出願方法
生徒や保護者 の皆様がパソコンやスマートフォン、タブレット端末等を用いて、インターネット上の専用ページから各高校に直接出願
(1) 出願者氏名・保護者氏名・住所等の出願者情報の登録
(2) 出願・出願変更
(3) 入学考査料の 納付 (②参照
(4) 受検票交付・印刷
(5) 合否情報の確認
などの一連の手続きをオンライン上で実施
(岐阜県教委発表「WEB出願チラシ」より)

この記述通りなら、出願も出願変更も各自で勝手にできることになり、今までのような面倒な手続きは全くなくなりますので、出願変更は大変やりやすくなります。その結果、今まで以上に出願変更期間に大きく人数が動く可能性もありますし、できても1回だけなのでそんなに影響を受けないかもしれません。そのあたりどうなるでしょう。最初聞いたときには、「生徒や保護者がWeb出願するといっても実際には中学校の先生が監督しながらやるのかな」とも思いましたが、県教委は出願期間に問い合わせ用の「コールセンター」まで設置するようですから、今までの紙の出願書類のように中学校が介在して出願・出願変更するしくみではないかもしれません。そのあたりは今後の中学校の説明や実際の出願期間を見ないと分かりませんね。今までの経験が通じない出願変更期間になる可能性があります。

それから(5)の合否情報の確認もシステムに入っているのは気になりました。今春までのネットでの合格発表に変わって、来春からはWEB出願システムが個人個人に合否情報も提供するということになるのでしょうか。「令和6年度岐阜県立高等学校入学者選抜要項」によると、

(1) 発表の日時
令和6年3月14日(木)午前9時
(2) 発表の方法等
高等学校長は、合格者の受検番号を学校内に掲示する。また、合格者に「合格通知書」(別記第3号様式)を交付する。

とありますから、今春までと同様、現地での合格発表も行われるようです(例年そのすぐあとに入学者説明会その他がありますから、ネットで分かっても現地に行かなければならないんですが)

WEB出願システムが合否情報の確認もできるということは、今春のようなネットに合格者の受検番号を掲載する様式ではなくて、Webシステムで個々人の合否をそれぞれ配信するということなのでしょうか。このあたりも漠然としていてまだ分かりませんね。

さらにここからは私の憶測と願望です。

今春まで出願変更期間中の出願者数の途中経過の発表は各高校がそれぞれのサイトで行っていましたが、WEB出願システムなら県教委で一括でぽんと出すこともできるのではないかと思いましたが、どうなるのでしょう。

今までは各高校で集計した数字を県教委がとりまとめる必要があったのでしょうから、出願者数の途中経過の全高校一覧は県教委では敢えてしなかったのでしょうし、最終日も正午締切にして時間的余裕を作り、集計作業をする県教委は夕方6時ごろに一覧を出していたと思うのですが、Web出願でオンラインでつながっているなら、県教委が締切時点で即、把握できる→即座に公表できますよね?じゃあ最終日を正午締切にする意味は何でしょう。で、ここまで書いて気付いたのですが、県教委の文書、よくよく見たら、今春までと違って土日の出願(変更)受付をしないと書いていませんし、出願期間や出願変更期間中の受付時間も書いていません。受付開始日の正午から受付締切日の正午までと書いてあるだけ。つまり、今春までと違って、Web出願システムでは24時間受付可能だということでしょうか。じゃあ中間の数字はどこで切って出すんでしょう。出願変更期間に出願者数が分からなければ出願変更するしないの判断もできませんから、途中経過の出願者数をいっさい出さないなんてことはないと思いますが。それとも出願者だけが変更しようとしたら各高校の数字を見られるしくみになるのでしょうか。そうすると他校の動向を見ながらの変更は不可能になりますからそれもないと思うのですが。出願変更期間中の出願者数の動向を県教委がどの時点で切って出すのか出さないのか、結構重大な問題です。

考え出すとどんどん可能性の想像が膨らむWeb出願システム、PDFファイルがとっちらかった印象だった県の高校入試情報サイトを県教委が急に真面目になって整理してリニューアルしたのも、あながち無関係の話ではないようですね。大変革になりそうです。

思えば21世紀になっても出願変更期間の出願者数の変動情報は、各高校の玄関にしか掲示されないというアナログな時代が続いていて、世間の人に笑われていました(当時、車を走らせて期間中毎日夕方見に行っていました。在校生の卒塾生にその場で会ったりとかドラマもありました)

それから一部の高校が(おそらく親切で始めたのだろう)ウェブサイトでの掲示を、県教委が公認し制度化する形で全高校が各校のウェブサイトで出願者数を掲載することになり、いちいち各高校の玄関まで見に行く手間が省けました。

そんな昔のことを思えば、今でもじゅうぶん手間は省けているのですが、各高校のウェブサイトを見て回らずとも県教委が毎日一括で全高校の出願者数を発表してくれれば、受験生とその保護者関係者の皆さんも、変更期間の出願者数の全体の動向をネット上で探し求めてこんな怪しいサイトでチェックしなくても、県教委の公式発表で知ることができて大変利便性が高まるというものです。気付けば岐阜県高校入試を見つめてきてやがて30年。私が年来求め続け、願い続けてきた出願者数などの発表になるかどうか、2024年春はそういう点でも個人的に大注目ですね。高校入試そのものが紙からタブレットやPCに置き換わるわけではないのですが(世間的には司法試験が令和8年度からそうなるというニュースがありましたね。将来の高校入試は果たしてどうなるんでしょう)