2024年3月19日付で、「岐阜県立高等学校の活性化に関する検討まとめ」(令和5年度版)が県教委から出ていました。
この「活性化検討まとめ」はこの1年間の実施内容の報告ですから旧年度の表示なんですよね。先日まで行われていた高校入試等で新年度(令和6年度/2024年度)の表示に慣れていると、おやっと思ってしまいますが。
この「活性化検討まとめ」、今年で休止だそうです。
本年3月、令和6年度からの5年間を計画期間とする「第4次岐阜県教育振興基本計画」が策定され、その中で「将来を見据えた魅力ある学校づくりの推進」が重点施策に位置付けられて おり、今後は、令和11年以降の急激な生徒減少期を見据えた県立高校のあり方について、具体的な検討に着手する時期となる。
そのため、次年度以降の活性化策を示す役割も担ってきた本まとめは、令和5年度をもって休止とし、今後は、各地域の意見なども踏まえながら、中長期的な生徒数の減少、学びの機会の保障、多様な学習ニーズへの対応、校舎改築の時期を見据えた教育環境の整備などの視点から、県立高校のあり方についての具体的な検討を進めるとともに、引き続き、必要に応じて学科改編等の検討を行いながら 、岐阜県型探究学習(ふるさと教育)を 展開することで 、地域に開かれた、活力と魅力ある学校づくりを推進する。
岐阜県教委2024.3.19発表「岐阜県立高等学校の活性化に関する検討まとめ」令和5年度版より
とのこと。これを読んで思ったのですが、確かに再編像が先々まで具体的に明らかにならないと、校舎改築の話も進められませんね。耐震補強工事ぐらいなら緊急性があるということでできましたが。校舎を新しくしたのに整理統合しますじゃ限られた予算の無駄遣いでしかありません。県内高校には大垣北や岐阜高が以前やったような改築を今後しないといけないところは結構ありそうです。高校入試的な視点では校舎が改築された高校の人気が上がったりするなんて変化も予想されますね(工事中にあたった世代はただの迷惑で終わるのですが)。大垣北高は改築後しばらくそれもあってか中学生に人気がありました(今はもう「新しい」なんていえない年数が経ちましたが)。
>今後は、令和11年以降の急激な生徒減少期を見据えた県立高校のあり方について、具体的な検討に着手する時期となる。
ということで既報の通り、令和11年度入試(2029年春入試。この春、新小5になるみなさんが受ける入試)から,今度こそ本当に県立高校の再編が行われるようです。その検討に着手すると。
簡単に書いてしまえば、2024年春の新小5生が高校受験するときにはいくつかの高校が募集していない(なくなっている)ということです。
まあ今の段階でも裏のほうでは既に案が検討されていてもおかしくありませんが、それがここ数年で表に出てくるということでしょうね。
前回の再編中断のとき、既に再編候補の19高校の名前が出ていますが、それがその後どう変わったか、変わっていないか。
次回はどういう形で再編されるのでしょう。
2016年春の段階で名前が挙がっていたのは、西濃地区からは不破、揖斐、池田、海津明誠の4校。
(ちなみに岐阜地区で2016年春に名前が挙がったのは山県高校のみ。岐阜地区は次回の高校再編とはほぼ無縁ですむ?)
最近の募集状況を見ると、西濃地区はその4校で済むのかという感じですが。
県教委もコロナ禍以降の募集状況については「予想外」などと言っているぐらいですから。
西濃地区に関して言えば、先述の4校のうち池田高は他の3校とは状況が違うんじゃないかと思う一方、ここしばらく定員割れが続いている大垣工業や今春定員割れした大垣西が全くの手つかずで済むのかどうかというのもありますね。
学科の再編ならいざ知らず、高校がなくなるという話が2028年春「1年後こうなります」といきなり唐突に出てくることは無いでしょうから(ああ、でも前回高校再編があったとき(海津明誠や大垣養老ができたとき)は1年前に突然だったかな。忘れました)、2027年度なのか2026年度なのか、いずれにしろここ数年のうちにはだいたいの姿が明らかになるのでしょう(というか明らかになってほしいところですよね)。
2016年春、(世間的には唐突に)高校再編の必要が県教委から唱えられながら、その後に先送りされて「活性化の検討」が今年まで続いてきたので、今度はもう先送りできないでしょう。
あのとき再編が棚上げになった流れからすると、あまり早く出すと話が没になってしまうと考えるなら、ひょっとすると2028年春に「来春から変わります」と世間にはいきなり出してくるのかもしれません。
その前に政治の側(県議会等)には根回ししているでしょうが。
以前も書きましたが、次回の再編劇は市郡に一つしか無い高校の消滅がありうるものになるはずです。
県議会にはその市・郡選出の議員さんがいます。
定員割れが続いていて、既に運営にも困難が生じているだろう高校の消滅に、地元の抵抗はそれほど大きくないかもしれませんが、政治家さんたちがそのときどう動くか。
いっぽうの県教委は前回先送りにしたことでそういう高校(定員割れで運営が困難に思われる高校)を敢えて作ってきて「消滅やむなし」という空気を作り、ここまである意味「地ならし」をしてきたのかもしれません。
「活性化検討まとめ」には他にもいろいろなことが書いてありますが、「高校入試」に関する重要情報として上記の部分を抽出しました。