定員内不合格 沖縄は最多、東京や大阪は「ゼロ」のなぜ 文科省は?:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASSCH357KSCHULLI003M.html
受験生のよくある疑問で「定員割れしている公立高校で不合格になることがあるのか」というのがあります。
結論を先に書けば、あるかないかの二択で言えば、この岐阜県では
答えは「あります」
上の記事にあるように、都道府県によって異なり0人のところもありますが、岐阜県では2022年春入試、2023年春入試と実際にあったことが以前から文部科学省の資料で明らかになっています。
今春(2024年春)入試についてはまだ公表されていません(例年の流れだと来春には出るのでしょう。1年後の公表ということになるでしょうか)。
以下が文科省の資料なので、直接ご覧いただくとよいかと存じます。
令和4年度高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査(公立高等学校)【令和5年3月17日更新版】 (PDF:1.4MB)
令和5年度 高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査 (公立高等学校) (PDF:3.1MB)
- この資料によると、岐阜県公立高校入試では
2022年春(令和4年度)に8名
2023年春(令和5年度)に23名
定員内不合格者が出ています。
定員内不合格者とは定員オーバーしていない高校で不合格になった生徒のことです。
だいぶん前から岐阜県でも定員内不合格が出ていました(むかしそれで新聞記事になったこともあります)が、この資料ではその存在と数が公的に裏付けられています。 - 全国を見ると0人という県も数県あれば100人超の県も数県あり、さまざまです。
近隣の県では愛知県と滋賀県は2022年春、2023年春ともに0人。
他方、静岡県は両年ともに70人を超えており、わりと積極的に出していると言えるかもしれません。
岐阜県はこのどちらでもありませんね。
なるべく出さないようにしているが稀に出すこともあるという、多くの都道府県と同じスタンスと言えるでしょうか。 - この資料には各都道府県の定員割れしたときに不合格を出すような場合の対応も調査されています。
各都道府県でかなり違うというのが興味深いところです。
- 文書、口頭、申し合わせ等により、原則として定員内不合格を出さないよう取り扱っている
- というところに近隣では愛知県・三重県・滋賀県が○印をつけています。
しかし三重県は岐阜県と同じかそれ以上の定員内不合格者を出しています。
愛知県と滋賀県は「原則」が厳格に適用されていて、三重県は「原則」が緩く適用されているということでしょうか。 - 他方、上でわりと積極的に出していると書いた静岡県は、
-
各校長の判断に委ねられている
-
のところに○印があります。
校長判断で出せるのも人数が比較的多い理由かもしれませんね。
一方、岐阜県はというと
定員内不合格を出す場合、教育委員会との協議を要することとしている
というところに○印があります。
岐阜県では定員割れしているときの不合格は、高校の校長だけの裁量でぽんぽん出すわけにはいかないようです。
さきほど岐阜県で8名(2022年春)または23名(2023年春)の定員内不合格者出ていると書きましたが、これは県全体で、それも第一次選抜も第二次選抜も全日制も定時制も全て含めての数です。
多くの生徒にとっては過度に恐れるような数字ではありません。
県内で1万人以上が高校受験し、特に近年は定員割れの公立高校が増えている中でこの数字なのですから。
定員割れした場合の不合格は「ほぼ例外的に起こること」だと考えて過度に緊張したり恐れたりすることなく、ほどよい緊張感で受験に臨んでくださいね(というのが岐阜県の実情にふさわしい態度でしょうか。都道府県により様々なので他県のことはなんとも言えませんが)。