脳幹出血(脳卒中)からの復活を目指して5

 一昨日またはたと気づいたが、脱衣所の服の脱ぎ着でいつの間にか椅子を使わなくなっていた。退院直後から「服の脱ぎ着ができないだろう」と家族が心配して脱衣所に椅子を置いてくれていた。確かに退院直後は椅子がないと服(ズボン)を脱ぐことも着ることも難しかった。病院にいるときも風呂には脱衣所に椅子があって入るときも出るときもお世話になった。今はなくても普通に立ったまま脱ぎ着できる。多少は進歩したのだろうか。「椅子はもういいよ」と言いたいところだが、椅子の置き場所に困るだろうからしばらく黙っていよう。

 この脱衣所で去年のクリスマスイブの朝、私は倒れたんだよなあと改めて考える。ずっと使う風呂なのでそういうことはあまり思い出さないようにしていたが。脱衣所で寝転ぶなんてあり得ないと思いつつ、よろよろと倒れ込んだのだった。あの後すぐに声なき声を家人に気づいてもらい、救急車も呼んだ後で割とすぐに来て、都会のようにたらい回しにもされず(この時期だけに)、病院の救急入口にはもう病院スタッフが立って待っていたと言うから(同行した家人言。当然ながら私は見ていない)すべてが迅速だった。その迅速な後処理のどれかが欠けていたら、今ごろ私はこの世にはいなかったかもしれない(仮定の話。本当にそうだったかは再現するわけにもいかず分からない)と考えると、ぞっとする。

 倒れて搬送されるまでの間、自分には死ぬつもりも死の覚悟もなかった。ただ倒れて、救急車に乗っている。不思議な感覚だった(なんとなく意識があった)。今思うとあの一つ一つの瞬間にこの世とあの世の境目が潜んでいる状況だったんだな。

 一昨日、関東一都三県の緊急事態宣言が解除されることに決まったそうだが、新型コロナの患者さんはもちろん、私のようにコロナ関係ないが迅速な処置が求められる病気の患者がたらい回しにされることのない医療環境を願うばかりだ。重症患者は新型コロナばかりではない。

 今日の散歩は午前勝負かと思っていたら、家の都合で昼前に。かねてから今日は短めにしようかと思っていたので近所の神社付近から駅のほうをぐるっと。歩数稼ぎに自宅周辺の近所もめぐって4960歩ほど。距離にして3500m。速さは4.8km/h。速さは不動産広告基準をクリアしたか。

 下は札幌の時計台ですというのは大嘘で(札幌時計台、「がっかり名所」とよく言われるが、若い頃見に行ったときは鉄道を乗り継いで行った先だったので、本当にがっかり名所で脱力した。またいつかがっかりしに行きたい)近所のミニ時計塔。気にもせず普段は通り過ぎているが、こうやって写真に撮るとかっこいいな。名所にならんかな。

 中途半端でなんだか気分が悪いので昼食後ちょっとだけ散歩に出るかと用意して出かけるところで、忘れ物をしたと家の中を右往左往している間に歩数計アプリが5000歩ほどになってモチベーションが下がり、いったん散歩は中止。

 もともと雨予報だったので午前だけで済まそうと思っていたところ、なかなか雨が降る様子もないし、ドラゴンズは初回から失点するし、家にいてもつまらないし、これなら行けるかと近場の散歩に。近所をぐるっと。今日の合計で8100歩弱。速さは4.8km/hを維持したようだ。この歩数でちょうどいい感じか。明日は雨らしいし、合格発表日なので外には出ない。と書いていたらぽつぽつと雨が。明日はどんな天気になるんだろう。

 カレンダーを見てはたと気づいたが(最近、はたと気づきすぎ)今日で退院4週間、そして1か月という節目だ。入院中あれほど望んだ「娑婆の空気(by主治医)」だが、この1か月間にやったことは何だったかなと改めて振り返ると、入院したときと比べてたいしたことはやってない。入院時と大きく違うことと言えば、理学療法士や作業療法士さんたちがベッド横まで「リハビリお願いします」と呼びに来ないことと、外に散歩に出かけていること、家の食事で病院食でないことくらいかもしれない。体重は増えたが体脂肪率はやや減っているので失われた筋肉が戻っていると信じたい。いずれにせよまだ入院中のようなものだ。早く体力をつけ、すべてを正常化したいと思う。