県議会で取り上げられた公立高校の倍率

公立高校全体の倍率0.99倍。現行制度最低

 朝刊を広げたところ、昨日の岐阜県議会で今春(2021年春・令和3年度)の公立高校入試の倍率が全体で0.99倍になった件について質問した議員がいたようです(ネットに記事があればリンクを張るのですが、各社ともネット上には記事なし)。特色化選抜が廃止されて以後の今の制度では初めて1倍を切って最低になったとか。公立高校も難関校(市内中心部に多い)とそうでない高校(郊外・郡部に目立つ)の倍率差が拡大していますよね。


お昼頃に見たら元記事が中日新聞のサイトに上がっていたようなのでリンクしておきますね。(追記)元記事はこれ。

私立高の専願者増加 公立高入試、定員割れ要因 県議会 https://www.chunichi.co.jp/article/217315?rct=gifu

>県内の二〇二一年度公立高校入試が定員割れしたことに、私立高校を専願した受験生の増加が影響していることが分かった。十二日の県議会一般質問で、山本勝敏議員(多治見市、県政自民クラブ)の質問に、安福正寿教育長が答えた。

 

二極化する公立高校

 今春(2021年春)の倍率を見ると確かに岐阜・西濃地区では旧岐阜市内普通科(いわゆる「旧5群」。1校だけ違いますが)+各西の倍率は高いし、大垣市内4普通科(東西南北)の倍率は高いが、その他の倍率は軒並み低く、たとえばここ数年激戦のときもあった大垣商業などはトントン(定員ぴったり)の出願者数になっていますし(学科ごとには倍率の凸凹がありますが、複数学科のある高校では例外を除き第2,第3志望を書くことが認められているので、事実上、学校全体の倍率が焦点です。受検生個人レベルではある学科だけ単一で志望というパターンもあるでしょうが)、他の西濃地区の高校は軒並み定員割れです。岐阜地区を見ても専門学科を中心に郊外の高校の受検者数が減っているように見えます。

私立高校への出願増加

 これについて教育長は「私立高校の出願者が増えたのが原因」としました。確かに私立高校の出願者数は増加傾向です。単願だけの県内私立高校全体の出願者数(全日制のみ)を見ると、

平成31年度(一昨年春・2019年春)
3009人(0.73倍)

令和2年度(昨年春・2020年春)
3041人(0.76倍)

令和3年度(今春・2021年春・2/5現在)
3192人(0.82倍)

という感じで、少子化にもかかわらず増加傾向ですが、それは各高校の努力(本当に切磋琢磨していますね)+教育費支援制度(所得制限付きながら国+県の授業料減免制度が充実。事実上無償化の家庭も少なくない)の浸透が一因としてあるように思います。県議会では今年の場合「新型コロナの影響ではないか」という指摘がされたようですが…。

傾向に変化?

岐阜県では公立高校のほうが優位で私立高校が劣位という状況が歴史的にずーーーーーーっと続いてきたので、塾業界でも公立高校の合格者数を競ってきたわけですが、「授業料が安いから公立へ」という一般的な理屈は家庭によっては通じなくなりつつあります。普通科の場合、進学が基本なわけですから、どの高校に通っても次の試練が待っています。公立高校生でも大学受験のため塾に通うことが増えている昨今、手厚く指導してくれる(塾の要らない)私立高校(私立高校全部がそうではない)と、塾通いしながら通う公立高校では、経済的・教育的にどうかという視点もあるでしょう。今後も続く流れなのか、今年だけ、つまりコロナ禍の影響なのか、慎重に見ていく必要がありそうです。