桜咲く

レタックスのころ

 「サクラサク」と言えば合格を伝える電報文として有名だったが、インターネット上の発表が主流になる今日、そういうものがあったことを知る若者ももはや少なく、歴史上の事象として知っている程度だろう。私の頃(大学受験)でも現地に直接見に行くか、レタックス(電子郵便。これも今は存在するのだろうかと思ったら未だにサービス自体は残っているらしい。早晩消えるだろう)。を待つかしかなく、もはや電報は絶滅しかけていた。

IDOという電話会社

 私自身、大学受験のときは現地で確認した(岐阜県の公立高校受験では今も昔も合格発表後ほど無くして入学者説明会があるから「現地」に決まっている)。併願していた東京の私立大はレタックスだったかな。現地では合格を確認した受験生たちがそれを伝えるべく公衆電話で長い列を作る中、当時まだ出始めの携帯電話を宣伝するため、IDO(イドー、今のauの前身の一つ。もはや知らない人のほうが多いかも)に雇われたらしいコンパニオンのお姉さんたちが携帯電話片手に(宣伝活動・デモンストレーションだろう)「どうぞお使いください」とその列を作っている合格者たちに訴えかけていた。

 私自身もそうだが周りもみんな保守的でその怪しげにも見える呼びかけ(ただで電話をかけさせてくれるという。それも当時あまり見なかった携帯電話で)に警戒心を抱き、呼びかけを無視して行列に並び続けていた。するとその中から勇気ある人間が現れ「じゃあ使わせて」ということになり、それがうまくいった(当たり前だ)のを見た他の行列人も続々とお姉さんたちのほうに移動し、数台あった携帯電話はたちまち埋まった(お姉さんたちも複数来ていた)。私もそうしたかったが、公衆電話の順番がちょうど回ってきたので結局そちらで電話した。いろいろと懐かしい思い出だ。懐かしすぎて、今の世と比較するとあまりに隔世の感がありすぎる。

 ところでそんなことを書きたかったのではない。今年の桜の開花状況だ。このぶんだと小学校の卒業式(3月25日)あたりで満開かもしれないというのは昨日書いた。

入学式の予定

 岐阜県教委が例年の通り県内小中高校の入学式・始業式の予定(PDF)をまとめている。例年通りの日程なのだが(大垣市は4/8)、今年はこの時期ではもう「散る桜」ですらなく、きっと「葉桜」になっているだろう。まあ「葉桜が予想されるので入学式を早めます」という話も聞いたことがないので、しかたのないことで、ただかわいそうな話だが、その代わりと言っては何だが、公立高校合格発表の日には(満開でないにせよ)桜が楽しめそうだ。どこの高校にも桜が植えてあるが、去年までと同じ風景ならば、この近辺では大垣南高校の西側の川沿いの桜(高校ではなくその横だが)が特に見事だ(かつては大垣北高の敷地横(東側)にも八重桜だったか見事な並木があったが河川改修で派手に伐られてしまったようだ)。たぶん受検生も保護者さんも駐車場から西門へと歩くうち、その途中で目にするだろう。発表日には(満開ではないだろうが)その花たちに祝福されてほしい。